パレスチナだより

2016年夏からパレスチナ・ヨルダンに留学中の女子大生です。留学生活のあれこれ、思ったことをつらつら書いていきます。

日本はいい国?

こっちではよく「チャイナ!」「ニーハオ!」と声をかけらえる。

そこで「違うよ日本だよ!」と言うとだいたいこう返される。

 

「日本から来たんだ!日本はいい国だよね!僕日本人大好き!」

そう言われたときに、100%ピュアな気持ちで「うん!日本はいい国だよ!」と言えないなあといつも思う。

 

「日本のこと好き?パレスチナ/ヨルダンと日本だったらどっちが好き?」

そう言われたときに、100%ピュアな気持ちで「日本が好き!」と言えないなあといつも思う。どちらかというと「嫌い」と思うことが多くなったと感じる。

 

もちろん日本食は大好きだし、日本の古い町並みとかお寺とか、桜、花火、紅葉、こたつ…こっちに来て恋しくなることもたくさんあった。スリは少ないし、観光するにはとっても楽しい場所、まさに“異文化”という感じだと思うし、自分が外国人だったら日本に観光したいなって思う。日本に観光に来ている外国人の反応を見ているだけでも、新鮮でとても面白い。文化的には最高の国。

 

じゃあ何で「日本のこと大好き!」って言えなくなっちゃったんだろう。

 

「日本人は頭が良い民族だ。」

留学中、「自分の頭で考える」勉強をいかにしてこなかったか、思い知る機会が沢山あった。

レポート、プレゼンなんて本格的に始めたのは大学生になってから。それを、アメリカで高校入学までを過ごした友人に話すと「そうなの?!私小学生のときから授業でプレゼンやってたよ」と驚かれた。大学受験期、あれだけ勉強に時間を割いていたけれど、答えのある問題を解くために、覚えるばかりの勉強だった。

あるアメリカ人に言われた。「日本、いつか行ってみたいんだよね!でも日本人って英語喋れないんでしょ?だから観光に行っても困ると思う。それで、行こうって気になれないの」

同じ年代、同じ非英語圏の子でも英語力で負けてるって思うことが沢山あった。英語の授業で、留学生同士の議論に追いつけないこともたくさんあった。もちろん自分の努力不足なのだけど、そういえば日本の英語の授業で、文法や読みは沢山やったけど、英語で文章を書く・話す機会ってあったっけ?

 

「日本人は優しい。穏やかだ。」

通学中の電車の中でアラビア語を勉強していた女子大生に「なんでアラビア語なんて勉強してるんだ!テロリストの言語だろうが」と言ってしまう人がいる国が、本当に「やさしくて穏やかな」国なのだろうか。大学の友達が経験したこの出来事をアラブ人に話したら、「それ本当に日本なの?ただ言語だけでそう判断する人がいるの?信じられない」と悲しんでいた。

 

「日本は戦争であんなに破壊されたのに、70年でここまで成長してすごい」

戦後70年で日本は驚くべき成長を遂げ、世界の中でも「先進国」と呼ばれる国になった。敗戦の面影はもはや残っていない。

「俺らは国を追い出されて70年経つけど、状況は何ら変わらないや。その間に日本はこんなに成長してるのにさ!」これはとあるパレスチナ人の言葉。

しかしここ20年、日本の経済はほとんど成長していないらしい。6年前には中国にGDPを追い越された。この成長が、過去の栄光になってしまうのでしょうか。過去の栄光に縋り付いて、変わりゆく現状、新たに生まれた問題を無視してしまうのでしょうか。

 

「日本と言えば日本車でしょ!トヨタニッサン!」

ヨルダンで見る車は残念ながら、トヨタよりもヒュンダイ・KIAのが多いです。

 

「日本では女性がここよりも権利を持っているでしょう?」

世界の男女平等ランキングの中で、日本が何位だか知っていますか。

2016年の調査では、調査対象144カ国のうち111位だそうです。

2015年に比べて後退しているらしいです。

同じ正規雇用であっても、女性の賃金は男性の7割弱、だそうです。

…だそうですって書いてるけれど全部自分の国のこと。

 

「日本は平和な国だ。」

1945年、広島・長崎に原爆が投下され、降伏宣言をしてから72年が経とうとしている。その日からこれまで、日本は一度も戦争をしてこなかった。このことについては純粋にすごいなあと思うし、ここは日本人として誇りを持てるところ。

でも「安保法案の可決」という動きがあったり、最近では「北朝鮮との関係緊張」が話題になったり。日本が外交において、アメリカについづいして自国のスタンスを取らないようなところもあまり好きになれない。

戦争が何も生まないことは、過去の歴史から日本が良く知っているはず。その点で日本は説得力を持っているのではないのかなあ。すぐそばで争い事が起こっているヨルダンで生活していると、やるせない気持ちになります。

 

この文章見て「そんなに日本が嫌いなら日本出ていけば?」って思う人もいると思うし、私も前までは「日本なんて出てやる」って思っていた。

でも自分が日本人であることに誇りを持てるようになりたいし、自分が自分の国のことを好きになれるようになりたい、今ではそう思います。

今年の3月に発表された世界幸福度ランキングで、日本は155カ国中51位。先進国の中では非常に低い。もしかしたら、「日本のことを好きになれない日本人」は少なくないのかもしれません。

 

留学を通じて会った仲間の中で「日本のこういうところを変えたい!」という思いを持っている人が沢山いて、

そしてそれを「ただのガキが言ってること」と思うのではなく、話をきいて支えてくれる大人がいることは、更に嬉しいことでした。

こういう人たちが力を合わせれば、きっと日本は、世の中は、良くなっていくんだろうなあ。

 

こういう話をしたときに「意識高い~」ってちょっと馬鹿にした感じで言ってくる人がいること、自分の夢を話した時に鼻で笑ってくる人がいるようなところも「日本って居心地悪いなあ」って思うところです。意識低いよりは高いほうがいいと思うけどネ。

 

留学でアラブに来てから、日本を離れてから、日本のことを日本にいたときよりも考えるようになりました。ここで考えたこと、置いて行かずに日本に持ち帰るのが留学生の役目かなあと勝手に思っています。

 

おわり